雁風呂
七十二候は 鴻雁北(こうがんかえる)
雁が北へ帰っていく頃
雁は夏場をシベリアで、冬は日本で過ごす渡り鳥です
昔は多摩川でも見られたそうですが、今は宮城県の一部にしか渡って来ないと言われています
雁は群れで行動します
渡りの時V字になって飛ぶと、力を温存して長い距離を飛べるそう
時々先頭が入れ替わる!すごいです
つばめはたった一匹で海を渡りますが、対象的ですね
つばめの過去記事はこちら
速く飛べるわけでも、強いわけでもない雁
仲間と助け合わないと生きられないのかも知れません
渡りの春、群れの一羽が傷ついて飛べないと、その雁の傷が癒えるまでみんなで待っているそうです
とても情の深い鳥なんですね
「雁風呂」
秋の渡りのとき、雁は一本の木片を加えて飛ぶ
その枝を海に浮かべ羽を休めるためだ
やっと日本に付くと浜辺に木片を落とす
そして春になると、またその浜辺で木片を拾い北へと旅立つ
しかし残っている木片がある
浜辺に残った木片は不幸にも死んで帰れなかった雁のものだろう
人々は残った木片で風呂を炊き、雁を供養したという
厳しい渡りをする雁の苦難と命を思う優しい気持ちが感じられる伝説ですね
昔の人達は助け合って生きる雁に、人間に近い親しみを感じていたのかもしれません