歳時記生活―旧暦のある暮らし―

旧暦のある暮らしに憧れて…二十四節季・七十二候を少し感じながら毎日過ごしてみたいと思います

昼顔

二十四節気 芒種

七十二候は腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)

 

 梅雨の晴れ間

昼下がり、昼顔が咲いています


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その名の通り昼間に咲いて夕方にしぼむので「昼顔」

朝顔に似ているのに、こちらは雑草

夏の道端、金網などに咲いています

 

最近はドラマや映画の公開で「昼顔」というと不倫のイメージが定着していますね

それはなぜなのか?調べてみました

 

1967年の仏/伊合作映画『昼顔』

監督 ルイス・ブニュエル

主演 カトリーヌ・ドヌーブ

 
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美しい人妻が昼間だけ娼館で働くというところから悲劇?が始まっていく…というスキャンダラスな内容

第28回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞である金獅子賞に輝いている異色の名作

 

そこからインスピレーションを受けた日本のテレビ番組が、夫のいない間に浮気する妻達を「昼顔妻」と名付けたそうです

そしてあの大ヒットドラマ「昼顔」に続いていくことに…

 

なるほどー!

昼間だけしか咲かない花「昼顔」から昼間の人妻の情事をイメージするなんて

なかなかおしゃれなセンス

 

でも、当の昼顔にとってどうなんでしょ?

割りと地味に道端で生きてきたのに…

昼顔=不倫というイメージはまだまだ続きそう

良くも悪くも一度付いたイメージはなかなか消えないものですよ

コヤギも気をつけなくちゃ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二十四節気 芒種

七十二候は腐草為螢

(くされたるくさほたるとなる)

昔は枯れて腐った草がホタルになると考えられていたそうです

 

コヤギの子供の頃は近所に蛍がいました

おじいちゃんと一緒に捕まえに行きます

ビニール袋に入れて持ち帰り、家に放しましたがもちろんすぐに死んでしまいました


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さすがに今はコヤギ地方で野生の蛍はいないようです

 

蛍について調べて見ました

 

蛍は成虫になってから1週間位しか生きません

その間草の露しか食べないのです

オスは交尾後、メスは産卵後すぐに死んでしまいます

卵からかえった幼虫は水の中でほとんど過ごし、その後土の中でサナギになり羽化して蛍に…

一年かけて蛍になり、1週間で死んでいく蛍

 

タイムマシーンで戻れるなら

「やめなさい!」と子供のコヤギを怒りたい

蛍は短い命を必死に生きていたのに…

 

年をとったからそう思うんでしょうか

蛍の大変な苦労、生きることの厳しさ…

蛍の気持ちになってしまうコヤギ

 

そうなら、年をとるのも悪くない?

こういう考えになれた自分が良かった

そう!やっぱり年取って良かった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入梅いわし

芒種の次候

腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)

 

本日は「入梅

雑節の一つで昔はこの日を梅雨入りの目安としていました

〈雑節とは〉

二十四節気と同じように季節の節目を表す日

主に農作業をもとに考えられた日本独自の歴日

ちなみに「入梅」は田植えの予定を立てて次の「半夏生」までに作業を終わらせる目安にしていたそうです

 

天気予報で入梅いわし」が取り上げられていました

入梅の頃に獲れるいわしをこう呼びます

油がのって一番おいしいんですって

千葉県の銚子が有名とか

 

いわしを食べたくなって早速購入


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いわしのしょうが煮

大好きな土井善晴先生のレシピ

しょうがの千切りがキモです

もうプリプリのふわふわでテリテリ

 

ただの「イワシ」というよりも

入梅」が付くだけでおいしく感じます

 

やっぱり、季節というのは天からの最大の贈り物ですね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

根曲がり竹

二十四節気 芒種

七十二候は蟷螂生(かまきりしょうず)

 

カマキリも生まれているでしょうが、色々な虫も出て来ています

虫を見ると夏だなーと感じます

 

東北から根曲がり竹が届きました


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筍の季語は夏

過去記事はこち

初夏の味、根曲がり竹はまさに夏の筍です


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あくが少ないので焼き筍に

マヨネーズに七味、味噌もおいしい

夫と二人で30本食べました

 

元々コヤギ地方には無い筍

流通の発展で食べられるようになりました

とっても幸せです

 

でもその分忙しさも感じるのです

やっぱり、一人の人間には限界が…

食べるものも、見るものも、繋がる人も、、

便利で簡単すぎて、少し辛い

 

その土地で生きるだけで大変なもんです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鮎の塩焼き

芒種の初候

蟷螂生(かまきりしょうず)

 

暦の上での入梅は6月11日

コヤギ地方は昨日梅雨入りしました

 

今日は鮎を買いました

スーパーで買ったのでもちろん養殖です

早速塩焼きに


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6月から鮎漁の解禁、まさに旬

 

コヤギの父親は鮎釣りが趣味でした

小さい頃よく言われたのが

「鮎は苔しか食べないから内臓も食べられる」

「鮎はスイカの匂いがする」

 

 大人になった今でもそれの影響があります

鮎は内臓も食べます

良い香りがするような

 

 

ちなみに「たで酢」は鮎の塩焼きには必須

これは大人になって和食屋さんで鮎を食べて知りました

 

蓼食う虫も好き好きの「たで」です

蓼は独特の辛味があることからこのことわざが出来たそう

 

でも、誰が始めに気づいたんだか…

とってもとっても鮎に合います!

緑のきれいな色もこの時期にぴったり

 

梅雨はちょっぴり気が重いけど…

「この時期ならでは」を探すのも楽しいものですね

 

 

 

  

 

 

 

 

樫の木

二十四節気 芒種

「芒」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことだそう

稲などの穀物の種をまく時期

田植えの目安とされ、農家が忙しくなる季節

 

ここ3,4日は日差しはあるけれど、風が涼しく、湿気がなくて気持ち良い毎日

もうすぐ梅雨入り…

貴重な初夏のさわやかな日ですね

 

家の前にある古い農家の「樫の木」


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今は若葉が生い茂っています

マンション5階建て位の高さ

樹齢何百年?

持ち主のおじいさんに聞いても確かな事は分からないとか

 

歳時記を見ると「樫若葉」は夏の季語

本当に青々として美しい

 

この木はコヤギの心のよりどころ

毎日見上げては話しかけたり祈ったり

 

毎年カラスの巣が作られます

最近子供のカラスが生まれました

「あ"ーあ"ー」と鳴いているからすぐ分かります

 

実はこの樫の木の下は「出る」とか

幽霊?亡霊?

タクシーの運転手さんの間では評判らしい

 

でもコヤギはこの木が大好き

部屋の窓からの眺め


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いつもこの木が見える

季節や心持ちで違う景色に見えるのが不思議

なんでもそうですけどね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麦秋

小満の末候

麦秋至(むぎのときいたる)

 

麦秋(ばくしゅう、むぎあき)

麦の穂が実り収穫のときを迎える頃

麦にとっては収穫の「秋」を表現している初夏を表す季節の言葉

 

初夏なのに麦秋

言葉だけ聞くとまだ少しピンと来ません

麦が見たくて麦畑を探しましたが、近所にはありません

仕方ないので画像を検索


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なるほど!

この黄金色はまさに「秋」の色

すんなり納得

昔々から日本人にとってこの色は秋の色

稲が実りの季節を迎える秋の色

教えられてないけど、確かにそう思います

黄金色の麦を見て、麦の秋と表現するのは当然なのかもしれません

 

色ってすごいですね

理屈や理由ではなく感じることができる

季節を感じる色をこれから探していきたいと思いました